運動連鎖の理解と臨床応用 下肢・体幹編 

━(股関、膝、骨盤、仙腸関節、腰椎)関節機能障害への臨床応用━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ ━━━━ 

【 概要 】
下肢、上肢の主に末端を誘導することで中枢側の動きを改善し、膝や腰の痛み、仙腸関節の機能障害までを改善する徒手介助を用いた運動療法を学びます。


【 受講の効果 】

・骨運動連鎖が理解できるようになる

・筋と筋膜の連鎖を考えた徒手的誘導が学べる

・変形性膝関節症、半月板損傷、ACL損傷、O脚、X脚など由来の膝の痛みに有効な徒手運動療法が学べる

・下肢─仙腸関節─腰椎の連動・連鎖を理解することにより腰部や股関節の痛みを改善する方法が学べる

・連鎖しやすい頸部と腰部の動きを下腿、足部などの遠位から改善する方法を学べる

・上肢・上半身の位置が膝に与える影響を理解でき、上肢から膝の負担を軽減する方法がわかる

・遠位から中枢、局所の動きを改善することで治療の幅が広がる



“運動連鎖とは?”

運動連鎖には骨による運動連鎖、筋による運動連鎖があります。また近年はアナトミートレイン、筋膜経線から起こる体の連動の概念もメジャーになりつつあり運動療法を主体とする理学療法士にとってこれらを学ぶことは必須となってきます。



“木を見て森を見ず“

腰痛だから「体幹を鍛えましょう」「インナーマッスルを鍛えましょう」「〇〇筋が弱いから鍛えましょう」膝が痛い、だから「大腿四頭筋を鍛えましょう」「内側広筋を鍛えましょう」「中殿筋を鍛えましょう」

もはやこういった安易な考えは時代遅れになってきていると言えます。これは徒手療法にも言えることですが、患者さんが痛いと訴えているところを擦っているだけみたいな事をやっていては他職種に「お触りリハ」と揶揄されても仕方がありません。局所の見方を押さえつつも全体からの影響を考えた視点や技術が必要です。



“なぜ、運動連鎖を考慮した運動療法を学ぶ必要があるのか?“

臨床で局所的な可動域や筋力を向上させても結果が出ないのは運動連鎖パターンが破綻しているからかもしれません。例えば腰部は回旋可動域が少ない構造となっていますが下肢からの運動連鎖が破綻していることによって腰椎の改善が過剰に起きることで痛みを引き起こしているケースが存在します。

この時にもしセラピストがそれを知らずに体幹インナーマッスルを鍛えるような運動療法ばかり進めていれば患者さんの症状は中々改善しないか、一時的に改善しても症状が取り切れないことはすぐに予想できます。

また膝の痛みは永延とクアドセッティングで大腿四頭筋を鍛えてばかりでも一向に良くならない、改善していかない症例を既に皆さんは経験していると思います。いくら筋力強化をしても足部からの連鎖で膝にストレスが掛かっているとしたら、単純な筋力強化だけでは無理があるのではないでしょうか?



「リハビリ後は調子が良いけど、すぐにまた痛みが元にもどっちゃう」

もし患者さんにこういった言葉を言われたことがある場合、運動連鎖や全体を改善する運動療法という手法でアプローチが改善の糸口となるかもしれません。



“自主訓練にも応用できる”

運動連鎖による影響を知ることで患者さんにやっていただく自主的な運動もまた変化します。同じことの繰り返しでただ回数をこなすような自主訓練では患者さんも中々継続してくれませんが、苦痛なくその場で効果が実感できる自主訓練であれば継続率はグッと高まります。


<こんな方に受講をおすすめします>

・何から学んでいいか分からない1~3年以内のPTOTの方
運動療法やハンドリングが上達したい方
・臨床での使いやすい武器を求めている方
・病院やクリニックの外来へ勤務している方
・腰部や下肢の疾患で苦戦されている方
・手技がやや苦手な方

【 講師 】
窪田翔梧 理学療法士 フィットネストレーナー
急性期病院、通所リハ、訪問リハ、フィットネスジム、水泳のトレーナーなどで活動

【 講師から 】
私は徒手療法も学んでいますが、なかなか徒手療法だけでは改善しない方も多く、その経験から運動療法は大切だと思い、現在では徒手療法と運動療法を組み合わせつつ治療を行っています。

肩に痛みがある、上がらない、だから「肩のインナーマッスルを鍛えましょう」「〇〇筋が弱いから鍛えましょう」もはやこういった安易な考えは時代遅れになってきていると言えます.局所の見方を押さえつつも全体からの影響を考えた視点や技術が必要です.

「リハビリ後は調子が良いけど、すぐにまた痛みが元にもどっちゃう」もし患者さんにこういった言葉を言われたことがある場合、運動連鎖の概念を用いた手法でのアプローチが改善の糸口となるかもしれません.意欲ある皆様の参加をお待ちしております。