股関節/膝関節のモビライゼーション

<概要>
臨床上多く遭遇する変形性膝関節症。
発症している高齢者の多くは以下のような訴えをしてきませんか?

・正座ができない
・階段を降りるのがつらい
・おすわり(床上動作、横座り、胡坐)ができない、やろうとすると痛い
・歩いていると膝が痛くなる

・立つときに膝が痛い

こういった症状の改善には筋力強化が必要になってきますが、その前に徒手療法でひと手間を加えることで運動療法が質の高いものになっていきます。

また患者さん目線からすれば、痛みをまず和らげてから運動をしたいという考えの方も多いのが現状です。

膝へのアプローチだけでなく足関節のモビライゼーション(6月開催)や、今回の内容に含まれる股関節のモビライゼーションを合わせて行うことで膝への負担を軽減することができます。

治療は技術や知識を出し切るだけのものではなく、人と人とのやりとりだと考えます。膝疾患の患者さんに信頼関係をスムーズに構築するために、関節モビライゼーション技術を是非学んでください。

明日からの臨床がまた楽しくなることをお約束します。

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<受講の効果>

・関節モビライゼーションという技術を通して関節の硬さの評価を知ることができる

・膝関節・股関節の動かし方のコツを学ぶことができる

・変形性膝関節症の患者さんに対してどの関節の硬さを調べていけばいいのかがわかる

・正座ができない方へ有効なモビライゼーションを学べる

・股関節に動きをつけることで膝への負担を軽減するモビライゼーションが学べる

・背臥位で膝が伸びない患者さんに有効なモビライゼーションを学べる

・膝の内側が痛いと訴える患者さんに有効なモビライゼーションを学べる

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【内容・詳細】

A.骨ランドマークの触診とアライメント評価
大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨の形状を復習しながら触診をしていきます。


B.関節の動的触診
膝の動きに関わる関節や股関節の硬さを解剖学的な構造に基づいて動かして評価していきます。やみくもに動かしても関節の硬さは評価できません。関節を構成する骨と骨のなす角度などを知識に入れながら行っていきます。


C.関節の治療

<評価・治療する関節>
・股関節
・大腿脛骨関節
・脛骨大腿関節
・膝蓋大腿関節
・近位脛腓関節
・遠位脛腓関節

Bの動的触診が評価と治療を兼ねているのですが、実際の臨床で用いるには患者さんのケースに合わせて少し応用することが必要になってきます。動かす関節の個所は少ないですが、応用例を多く紹介します。

一例.

・股関節屈曲制限に対して大腿骨側ではなく骨盤側を動かすモビライゼーション

・膝の屈曲制限に対して屈曲0度~30度で行ったほうがいいケースと、たわみをとった最終域で行ったほうがいいケースの両パターンの説明と対応したモビライゼーション

・立ち上がりで力が入らない場合の股関節━膝・下腿軸━足関節軸を修正しながら行うモビライゼーション

など


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